桂林よりも桂林的な町
今夕、短歌仲間たちと食事していた折に話の流れで、桂林へ行ったことがあるかと訊かれました。桂林といえば、そう、中国の、山水画の景色で有名なあの桂林です。キーワード「桂林」で画像検索してみれば、誰でも「ああ、この景色か」と分かるはずです。
私は、桂林に行ったことはあるけれど1泊しかしなかった、と答えました。具体的には、桂林に夕刻着いたため、とりあえず市内に1泊だけした、という事情です。桂林というのは結構な都会なので、街なかに泊まってもあまりおもしろくないんですよね。あの山水画のような景色が広がるのは、実際は桂林の郊外です。
一般のパッケージ・ツアーの場合、桂林から璃江という川を船で下りながら、沿岸の景色を堪能するのが普通です。璃江下りの船は桂林を出て陽朔という町へ向かいます。陽朔にはバスが先回りして待っていて、観光客はそのまま桂林へ戻って連泊します。
この、パッケージ・ツアーの客のほとんどがせいぜい10分かそこらしかとどまらない陽朔という町が、実はとてもいいのです。小ぢんまりとした町で、なかなか風情があり、周りじゅうがあの山水画の景色です。個人旅行客(特に節約旅行の)は桂林よりもむしろ陽朔に泊まるのではないでしょうか。かなり旅行客ずれしている感はありますが、それを差し引いてもなお十分すぎるほどの魅力のある町です。