一般的に知られていなかったり、メディアで語られていなかったりする情報を自分が知ることに、人は優越感を覚える。『この真実を知っているのは自分だけだ』と思うと、他人に教えたくてたまらなくなる。その話を聞いた人が、また別の誰かに話して、その人がさらに別の誰かに……という形で、あっとういう間に広がっていきます

人がこういうふうに陰謀論になびきやすいというのは、別に歴史についてに限ったことではないと思います。

ほら、最近でもいろいろありますよね。〈政府が隠蔽している驚愕の事実〉みたいなの。〈政府が隠蔽している〉というカツドーカの常套句あるいは週刊誌の見出しみたいな文言が出てきた時点で、まずは疑ってかからないといけませんよ。

だってそうでしょう。普通に考えれば〈政府が隠蔽している驚愕の事実〉に易々とアクセスできるような高度の諜報手腕の持ち主なら、CIAあたりが高待遇で迎え入れてくれるはずですから。

もっとも〈政府が隠蔽している驚愕の事実〉とか言っている本人も、悪気はなくて大真面目だったりしますけどね。慢性または晩発性の中二病というやつで。