今年は9月前半にまとまった休暇を確保できそうだ、というのはかなり前から予測がついていました。しかし9月といえば、一般的な認識としては、タイやマレーシアは雨季の真っただ中ですし、フィリピンから沖縄にかけての辺りは台風銀座ですし、東南アジアでその時期が乾季に当たるのはインドネシアぐらいですが個人的にはあまり関心のない所ですし、特に休暇にしてどこかへ出かけようという気にはならなかったのです。

が、うっかり変な情報を目にしてしまいました。

何と、タイの中でもサムイ周辺は気候がやや異なるらしいのです。雨季にあまり雨が降らなくて、逆に乾季の頭に豪雨に見舞われるのだとか。9月ならサムイがいいのだと。

ほう、サムイねぇ。まあ、気候的にはいいのかもしれないけど、あそこは行くのが面倒なんだよねぇ。確かバンコクからスラーターニーまで鉄道で行って、船に乗り換えるんですよね。2〜3週間のバカンスが取れる西洋人向けのリゾートで、私ら日本人からすると異世界ですよね。

などと思ってしまった私は、すっかり大昔の情報にとらわれていました。ええ、そうです、今はサムイにも空港があり、バンコクでの国際線との乗り継ぎも至って便利になっていますので、ほとんどプーケットに行くのと似たような気軽さで行けるようになっています。ちょっと高めだけど。

というわけで、あこがれのサムイに行ってみようと決めた次第です。5日に出発し、本11日に帰国しました。

感想を一言でいうなら、癖になりそうです。はまりそうです。あの島を堪能するには1カ月ぐらいないと足りません。けれども、人が来すぎると困るので、読者諸氏におかれましては、サムイに関する悪い噂を広めるよう協力をいただければ幸いです。もし人との話でサムイの話題になるようなことがあったら、「知人が行ってきたらしいけど、海は汚れてるし、空は濁ってるし、天気は悪いし、ビーチはゴミだらけだし、芋洗いみたいな人ごみだし、街は汚くて空気が悪いし、治安は悪いし、人はみんな不親切だし、食い物はまずいし、最低最悪のリゾートだって言ってたよ」と吹聴しておいてください。よろしくお願いします。

スワンナプーム国際空港(バンコク)にあるバンコクエアウェイズのラウンジ

エアラインのラウンジなんて、私のような貧乏旅行者の身には一生縁がないものだと思っていましたが、このたび初めて体験しました。なぜなら、バンコクエアウェイズのラウンジはエコノミー・クラスの客でも入れるからです(笑)。さすが、ブティック・エアラインを標榜するだけはあります。

受付で搭乗券を提示すると、無料Wi-Fiのパスワードがもらえます。さらに飲み物と簡単な軽食類が無料。

サムイ国際空港に到着

サムイ空港のランプバスは、テーマパークの乗り物みたいですね。

チャウエン・ビーチ

ビーチ・リゾートとしてそこそこ名の知れているサムイのはずですが、メインのチャウエン・ビーチでもそれほど人影は多くなく、落ち着いています。年末年始などはもっとにぎわうのでしょうか。

ソムタムの作り売り屋台

屋根から下げている物の陰に顔が隠れてしまっていますが、屋台の向こう側にいるおばちゃんがソムタム屋で、その場で細長く切った青パパイヤを容器に入れて棒でたたいてソムタムを作っています。こちら側にいる蛍光色のシャツの2人は客(たぶん近所のマッサージ屋の店員)。

ミー・ナームの屋台

変にリゾート化していると、こういうタイでは当たり前のローカルな屋台を探し当てるのが逆に大変だったりします。この屋台では、定番の卓上4点クルワンプルーンのほか、得体の知れない調味料をあれこれそろえていました(笑)。ナンプラーを使うのが好きな人が多いかと思いますが、私はプリック・ナムソムを多めにいきます。暑さで食欲が落ちているときにはちょうどいいんですよ。

至福のひととき

不慣れな街で足が棒になるまで歩き回っても平気です。なぜなら、そこらじゅうにマッサージ屋があるからです。

フット・マッサージは40分200バーツぐらい。60分で200バーツを切る価格を設定している店も多いですが、そこは変にケチると失敗するのでケチらないほうがいいと思います(日本円に換算してみたまえ)。全身アロマ・マッサージが60分480バーツぐらいで、なかなかいいのですが多少の当たり外れがあるかもしれません。

ところで、サムイのマッサージ店には〈真面目なマッサージ〉と〈けしからんマッサージ〉とがあります。前者は、セラピスト然とした店員のおばちゃんたちが、痛いと言いそうになる直前の微妙な寸止めで体をいじり回してくれて、施術後は気分爽快です。一方の後者は、メイクを決めて扇情的な身なりのお姐さん+ たちがおり、マッサージの腕前はどれほどのものか知りませんが、陰の追加料金で陰の追加サービスがあるそうです(正直なところ、日本人の男の食指が動きそうなタイプのお姐さん+ は見かけませんでした)。

夜のチャウエン・ビーチロード

街はもう何だか国籍不明です。英語と中国語の表記が目立ち、タイ語は控えめです。

サムイ空港の出発ロビー(?)

バンコクからサムイに着いた時は、構造的にさっさと空港の外に出るようになっていたため意識しなかったのですが、帰りに改めて見てみると、サムイ空港はずっと屋根だけあって壁のない〈屋外〉なので驚きます。ちなみに上の写真3枚はいずれも、チェックイン・カウンターで搭乗手続きをしたあと保安検査、出国審査、搭乗ゲートへと向かう部分です。