ある意味では全く予想通りの展開ではありますが──

政府は九日、一万円、五千円、千円の各紙幣を約二十年ぶりに刷新し二〇二四年度前半に発行すると発表した。 ─(略)─ ただ、過去二回の刷新は発行の二~三年前に発表していたが、今回は五年前。国民が好感した新元号の決定後、間髪入れずに明るい話題を提供することで、政権への追い風を強める狙いもありそうだ。

とにかく安倍政権下で行われることにはすべてケチをつけたい、ケンリョクにケチをつける俺たちってかっこいい、という強い思いが行間からひしひしと伝わってきます。SNSで出回るたぐいの中学生級の中身のない陰謀論を、新聞が書くようになってしまってはもう終わりですね。こんなふうでは報道媒体が信用されなくなってくるのも当然でしょう。

政府は十月の消費税増税にあわせてポイント還元制度を始め、小売店は「キャッシュレス決済」のための設備導入に追われている。一方、紙幣刷新への対応に企業は負担を強いられることになり、キャッシュレス化で現金流通の社会的なコストを抑えるという大義名分は揺らぎかねない。
[同]

では、キャッシュレス化を進めず現金決済の割合を高く維持し、同時に、現金紙幣の偽造防止などのための刷新は行わず現行の紙幣の使用をずっと続けろ、というのがこの媒体の主張なのでしょうか。とにかく安倍政権下で行われることにはすべてケチをつけたい、という強い思いが先に立ち、後付けでいろいろこじつけているため、言っていることがめちゃくちゃです。