新型コロナウイルス対策について「政府の対応が後手後手で遅すぎる」と賢そうな顔で論じていた人たちが、昨夜から突然「政府の決定は急すぎるし強権的だ」と喚きだしたりしていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

まあ、現在のウイルス対策は〈正解のない決断の連続〉になるしかありませんので、政府が何をやってもやらなくてもどのみち文句を言われることになる、というのがよく分かります。あと、例によって、政権をたたけるネタなら何でもいいというたぐいの人々の騒ぎですね。

このたびの臨時休校については、恐らく結果論でしか是非を論じることができないでしょうし、もしかしたら結果論でも語り得ないかもしれません。ただ、政府が本気で事態を半月で収拾しようというのであれば、このくらいの措置はあっても悪くないでしょう。まあ、もう2、3日早く言っておいたほうがよかったとは思いますがね。また、これにより共働き夫婦などにかかる費用負担に政府が今後どう対処してゆくかは、評価のポイントになると思います。

政府は〈要請〉ばかりで自治体と現場に丸投げしていて無責任だ、という意見もよく目にします。しかし、法律がそうなっているのだから仕方ないでしょう。政府には今回のようなことを、責任を持って〈命令〉できる法的根拠がないため、〈要請〉するしかないのですよ。非常時に政府による〈命令〉を可能にするような緊急事態条項の制定に、今までしつこくしつこく反対してきたのは、どこの誰なのか、胸に手を当ててよく考えてみたらどうですか。そもそも、政府としても今回の措置による費用負担について法整備を急ぐと言っているのですから、別に責任放棄しているわけではないでしょう。

さて、何がどうであれわれわれができる新型コロナウイルス対策は変わりません。そう、手を洗いましょう。