朝日新聞がまた嘘を書いたようです。ちょっと違うとかではなく、嘘です。

報道にある程度の誤報が出てしまうこと自体は仕方がなく、訂正するなどの対応をきちんとすればいいのですが、朝日の場合は誤報ではなくて、意図的な虚報とみられることが多いです。たぶん本件もそうでしょう。

[ジョンズ・ホプキンス大のジェニファー・ナゾ上席研究員は、新型コロナウイルスについて]日本の検査人数は少ないとして、「検査拡大に努めるべきだ」と述べた。 ─(略)─ 感染を判定するためのPCR検査実施人数は、厚生労働省によると日本では13日時点で1万2060人。ナゾ氏は「韓国は、現時点で約20万以上。(日本の)数字は低い」と指摘。検査に積極的な韓国や、感染報告や情報共有の透明性が高いシンガポールは、日本の手本になるとの見方を示した。

今の時代、便利なもので、こうした記事の内容については、一次資料もしくはそれに近いものを参照して検証することが容易です。つまり、ナゾ氏が実際にどんなことを論じている人なのかは、マスメディアを通じなくても簡単に分かります。

そう、われわれはCOVID-19の検査能力を増やさなければいけません。しかし、誰もが検査を受ける必要があるという意味ではありません。仮に十分な検査[キット]があったとしても、全員を検査するのに十分な臨床医がいません。体調が悪くても入院する必要がない場合は、家にいて[病院に来ないで]。

ナゾ氏は、検査のキャパを増やさなければいけないと言っていますけど、「日本の検査人数は少ないとして、「検査拡大に努めるべきだ」と述べ」ているようではなさそうです。

彼女がツイートでリンクしている記事も、そういうことを書いています:

アメリカでも日本と同じような指針になっているようで、要するに、咳が出るという程度ですぐに病院に来るな、まずはかくかくしかじかの機関に電話して相談しろ、という話です。

また、ナゾ氏は次のようにも言っています:

これはまさに私が心配していることです! われわれのリソースは限られています。ただちに行うことはできません。優先すべき部分に集中する必要があります。つまり、 *積極的に* 高齢者や高リスク群の感染を防止し、無症状者や軽症者を緊急救命室から遠ざけ、医療従事者を防護するということです。

ですから、やたらめったらに検査をして陽性者は軽症でも入院させ、そのせいで一部地域では重症者の入れる病床がないという事態に陥っている韓国が、「日本の手本になる」わけがないのです。そして、ナゾ氏の言っている「*積極的に* 高齢者や高リスク群の感染を防止し、無症状者や軽症者を緊急救命室から遠ざけ、医療従事者を防護する」というのは、まさに日本で実践中の策です。

朝日がどういうつもりであんな嘘の記事を出したのか知りませんが、まあ、またいつもの〈安倍をたたけるなら何でもいい〉なのでしょう。国民の健康がかかっている問題で、自分たちの願望を満たすだけのためにデマを拡散するのはやめてもらいたいですね。珊瑚に落書きをした件とは次元が違います。

さて、われわれは嘘の記事に惑わされることもなく、今日もしっかり手を洗いましょう。