白を黒と書く朝日
朝日新聞がまた嘘を書いたようです。ちょっと違うとかではなく、嘘です。
報道にある程度の誤報が出てしまうこと自体は仕方がなく、訂正するなどの対応をきちんとすればいいのですが、朝日の場合は誤報ではなくて、意図的な虚報とみられることが多いです。たぶん本件もそうでしょう。
[ジョンズ・ホプキンス大のジェニファー・ナゾ上席研究員は、新型コロナウイルスについて]日本の検査人数は少ないとして、「検査拡大に努めるべきだ」と述べた。 ─(略)─ 感染を判定するためのPCR検査実施人数は、厚生労働省によると日本では13日時点で1万2060人。ナゾ氏は「韓国は、現時点で約20万以上。(日本の)数字は低い」と指摘。検査に積極的な韓国や、感染報告や情報共有の透明性が高いシンガポールは、日本の手本になるとの見方を示した。
今の時代、便利なもので、こうした記事の内容については、一次資料もしくはそれに近いものを参照して検証することが容易です。つまり、ナゾ氏が実際にどんなことを論じている人なのかは、マスメディアを通じなくても簡単に分かります。
Yes, we must increase COVID19 testing capacity. But that doesn't mean everyone needs to be tested. Even if there were enough tests, there aren't enough clinicians to test everyone. If you are sick and don't need to be hospitalized, stay home. https://t.co/reoe89FlBb
— Jennifer Nuzzo, DrPH (@JenniferNuzzo) March 15, 2020
ナゾ氏は、検査のキャパを増やさなければいけないと言っていますけど、「日本の検査人数は少ないとして、「検査拡大に努めるべきだ」と述べ」ているようではなさそうです。
彼女がツイートでリンクしている記事も、そういうことを書いています:
- “If you feel sick and are worried about the coronavirus, call your doctor. Don’t rush to the ER.” << “The Washington Post”
アメリカでも日本と同じような指針になっているようで、要するに、咳が出るという程度ですぐに病院に来るな、まずはかくかくしかじかの機関に電話して相談しろ、という話です。
また、ナゾ氏は次のようにも言っています:
This is exactly what I am worried about! We have limited resources. We can’t do it all right now. We need to stay laser focused on priority ares. That means *actively* preventing infection in elderly and high risk groups, keeping well and mildly ill out of ERs, protecting HCWs. https://t.co/huBewoj0BK
— Jennifer Nuzzo, DrPH (@JenniferNuzzo) March 14, 2020
ですから、やたらめったらに検査をして陽性者は軽症でも入院させ、そのせいで一部地域では重症者の入れる病床がないという事態に陥っている韓国が、「日本の手本になる」わけがないのです。そして、ナゾ氏の言っている「*積極的に* 高齢者や高リスク群の感染を防止し、無症状者や軽症者を緊急救命室から遠ざけ、医療従事者を防護する」というのは、まさに日本で実践中の策です。
朝日がどういうつもりであんな嘘の記事を出したのか知りませんが、まあ、またいつもの〈安倍をたたけるなら何でもいい〉なのでしょう。国民の健康がかかっている問題で、自分たちの願望を満たすだけのためにデマを拡散するのはやめてもらいたいですね。珊瑚に落書きをした件とは次元が違います。
さて、われわれは嘘の記事に惑わされることもなく、今日もしっかり手を洗いましょう。