「東京での新型コロナウイルス感染者が今日いきなり増えたのは、五輪の延期が決まったので都が事実を隠蔽しなくてもよくなったからだ──というデマがアチラ方面から湧いてくるかと思ったのだが、今のところ私の眺めている限りではまだないようである」──と昨夜書いたばかりですが、その後すぐにそういうデマをあちこちで見かけるようになったので、頭が痛いです。

自分が政府や都庁の役人や政治家になったつもりで、ちょっとだけ考えてみましょう。そんな分かりやすい陰謀工作をすると思いますか?

非常時には人の本性があらわになります。このたびのウイルス禍によって、見切りをつけるべき人々というものがはっきり分かってきました。

例えば次のような報道記事があります:

このうち医療体制については、現在都内で118床確保されている特定の感染症にかかった患者が入院する病床について‥‥増やすことになりました。

具体的には、重症の患者を受けるために最大で700床、中等症の患者については最大で3300床まで段階的に増やすことを目指しています。

このニュースへの反応は大雑把には次の3種類に分かれます:

  • そうか、計4000床まで増やすのなら問題ない。
  • もっと早くそうすべきだったのでは。また、4000床で十分なのか。
  • 都の人口1400万に対して118床しかなかっただと? 今までその事実を隠蔽していたのか! これだから行政は信頼できない!

これも、ちょっとだけ考えてみましょう。感染症病床なんてふだんは118床もあれば十分です。ただ、緊急時に大幅に増やせる余地があるかどうかが問題となるのでしょう。また、感染症病床数なんて今時、ネットの検索エンジンを使えばたちまちに分かってしまいますから、隠蔽もヘッタクレもあったものではありません。

もう分かりましたよね。上記の3種類のうち、見切りをつけるべき人はどれなのか。

では、今日もしっかり手洗い励行でいきましょう。