記者たちの悲喜劇
しかし、安倍首相はメディアと正面対決を続け、インタビューなどはいわゆる保守系メディアを中心に選別して挑発的だったが、六回の国政選挙に大勝し、史上最長の在任期間を達成した。
このことが、日本の政治史上、また、メディアの歴史の上で革命的なことは余り語られないが重要なことだと思う。つまるところ、テレビや新聞がどう放送したり書いたりしようが政治のうえで大事なことでなくなったのだ。
[「メディアと喧嘩しても支持された安倍首相の革命」 (八幡和郎) << 「アゴラ」]
上記記事に書かれていることは、一言一句すべてその通りなのです。このことが理解できていない人は、なぜ安倍政権が不祥事を多く起こしているように見えるにもかかわらず長期間続いてきたかを理解できないでしょうし、なぜ野党が政権の悪を鋭く批判しているように見えるにもかかわらずひたすら支持率を落としているかを理解できないでしょう。
これは、政権を支持しているか否かとは全く別の話ですよ。
巨大報道媒体が政権側の政治家の発言を恣意的に切り貼りした上で一方的な論評を読者や視聴者に押し付けるだけのものであることは、すでに多くの人たちの知るところとなっています。閣僚の記者会見の内容などを知りたければ、ネットで冒頭から最後まできっちり見ることができます。報道が世論を操作できる時代は '00年代で終わっているのですが、当の巨大媒体の側の人たちがその現状を認識できていないため、記者たちがいくら寄ってたかって政権をたたいてもたたいても政権が倒れないという悲喜劇をさらしてきました。
新聞やテレビが影響を及ぼすことができるのは、新聞(紙)購読者層やテレビ視聴者層という絶滅危惧種だけですよ。