個人努力の段階を過ぎたということ
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日の衆院厚生労働委員会で、感染防止対策について「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と述べ、政府や自治体の対策を強化すべきだとの認識を示した。
勘違いしてはいけません。尾身氏が言っているのは、個人の努力でどうにかなる問題ではないから行政が対策しなければいけない、という意味ではありませんよ。ちゃんと努力してくれない個人が多すぎるせいでこんな状態になってしまったから行政が対策を強化するしかない、という意味です。
もっと分かりやすく言います。手洗い、マスク、距離という個人努力でなすべきことをおろそかにする人たちのせいで、現在の感染急拡大が起きているのでしょう。
先日も書きましたが、感染急拡大は「Go To」事業のせいではありません。「Go To トラベル」のせいではなく、「Go To トラベル」の旅先で手洗い、マスク、距離をおろそかにする人たちのせいです。「Go To イート」のせいではなく、「Go To イート」で家族以外が集まって会食する人たちのせいです。
これからの時期、「Go To トラベル」を利用して帰省する馬鹿どもや、「Go To イート」を利用して忘年会を開く馬鹿どもが増えそうなので、そうならないように行政がガツンとやらないといけない──と、尾身氏は言っているのですよ。
そういえば、「政府は『Go To』を実施するくせに、帰省はやめろとか、言っていることがおかしい」などと抜かす馬鹿がいまだにいるみたいなのですね。観光客は手洗い、マスク、距離をきちんと守ることができますが、帰省客は実家の家族親類どころか近所の面々も集まって大人数で濃厚接触三昧になったりするから危ないのです。
やたらと感染拡大を行政のせいにばかりしたがる人たちが目立ちますけど、実はそんな人たちこそが感染拡大の原因になっていたりするのではないでしょうか。情報をきちんと得て趣旨を理解しないといけませんよ。