「われわれは断固としてハンストを継続する意思があり、命がけで安保法案を止める覚悟であることにいささかの偽りもない。しかしながら、医師から中止せよとの強い指示があり、やむを得ず涙を呑んでハンストを中止することにした」──という停止ボタンはあらかじめ用意されていました。ついでに「われわれの行動は、各種メディアを通じて広く国民に、さらに国外の人々にメッセージを伝えることに成功したのであり、未来へ向けて勝利的に貫徹したのである」とでも付け加えれば、それ系の人たちらしさが出るのではないでしょうか。

とにかく死人が出なかったのはなによりでした。まあ、ポカリスエットで水分とカロリーを十分補給しながらの148時間程度の断食ごっこで死ぬわけもありませんけどね。腹が減ってつらかったとは思いますけど。

10代最後の夏のいい思い出になったでしょう。30代、40代になった時に居酒屋で、懐かしい青春の日々を熱く語り合ってください。ちょうど全共闘世代が「俺たちは革命の戦士だったんだぞぉ」と“自慢話”をするみたいに。

いさましき旗を背負ひしハンストの軽きにあきれ安保とまらず

いさましきはたをせおひしハンストのかろきにあきれあんぽとまらず

本歌、石川啄木「たはむれに母を背負ひて‥‥」