ボロボロになりながら開会の東京五輪によせて
昨年初めに新型コロナウイルスが国内で感染拡大を始めた頃は、春先に収束するだろうと私は予想していた。そして、東京五輪は秋に延期されるだろうと思っていた。私のそんな予想は全く外れて、1年以上たってもコロナ禍は収束しないどころか悪化の様相を呈しつつ、1年延期された五輪は始まる前からボロボロになりながら開会式の日を迎えた。
すでにプロ野球もJリーグも観客を入れて試合を行っている中、五輪が無観客で開催されるとなれば、開催自体に反対する理由は普通に考えて見当たらない。つまり、反対している人の多くは実は、新型コロナが理由で反対しているのではない。そんなワイドショー的な声に圧殺されるなどあるまじきことであるから、五輪は開催されなければならないのである。
それでは選手たちのことを第一に考えずに五輪を政治利用しているだけではないか、と言う人がいるかもしれない。ならば問う。五輪の無観客開催に反対している人たちは、政治利用しているのではないのか、と。繰り返すが、新型コロナ云々は彼らが五輪開催に反対する真の理由ではない。
五輪・パラの開催期間中から開催後にかけて、首都圏の新型コロナ感染者数は増えるかもしれないし、減るかもしれない。いずれにしても、それは五輪と直接的にはあまり関係がない。何せ五輪は無観客である。心配なら自分が会場や選手村に近づかなければいいだけのことだ。というか、新型コロナを警戒するという意味で言うなら、五輪のいかんにかかわらず自分のふだんの生活様式に気をつけたほうがいい。