最近、韓国のネットで「日東壮遊歌」がちょっと話題になったと聞きまして、いささか驚きました。韓国の文献資料なのに韓国でほとんど知られていなかったのですね。まあ、理由は何となく察しがつきますが(苦笑)

とはいえ「日東壮遊歌」は、日本でも知っている人が多いとはいえない文献だと思いますので、簡単に言いますと、江戸時代の朝鮮通信使の一人が書き留めた日本旅行記です。

朝鮮通信使といえば、日本史の授業なんかで、室町時代から江戸時代にかけて李氏朝鮮が日本に送ってきていた使節団、特に回数の多かった江戸時代のものを指す、というふうに教わりますね。というか、そんなふうにしか教わりません。そのため歴史的な日韓友好のシンボルか何かのように勘違いする人がすごく多いのですけど、実態はまるで違います。朝鮮通信使ご一行さま、いささかの誇張もなしに旅の途上ではまるでチンピラのように素行が悪く、しょっちゅう日本人ともめごとを起こしていました。

さて、そんな朝鮮通信使の一人が書き残した「日東壮遊歌」は、日本語訳も出ているようですが、概要だけなら「ウィキペディア」で知ることができます。

ちなみに「ウィキペディア」に「日東壮遊歌」の項目があるのは日本語版と中国語版だけで、韓国語版にはありません。まあ、理由は何となく察しがつきますが(苦笑)

いずれ韓国では「『日東壮遊歌』なるものは日本の極右勢力が捏造した偽書だ」とかなんとか喚き始めるかもしれませんね。いやいや、これは冗談で言っているのではありませんよ。広開土王碑や任那日本府などに関してあちらにはそういう〈実績〉がありますので。