脱走したシマウマが逃げ込んできたせいで、ゴルフ教施設が活動を一時中止したと聞いた時は、拍手喝采したい気分でした。極悪なゴルフ教信者どもを懲らしめるため、天より遣わされたシマウマだったのかも、という思いすら抱きました。

ゴルフ教──その恐ろしさをみなさんもよく知っておくべきです。

「来週末、ゴルフに行かないか?」──ゴルフ教信者は笑顔でそんなふうに入信の勧誘をしてきます。

「いや、私はゴルフをやらないんですよ」──まともなあなたならこう答えるでしょう。

ところが次の瞬間、信者の目つきが変わり、「ゴルフを、やらないだと?」

話を聞きつけた周りの人々も口々に、

「ゴルフをやらないってどういう意味?」
「ゴルフをやらないなんて、変な奴ぅ」
「お前、人としておかしいぞ、ゴルフをやったことがないなんて」
「うわぁ、ゴルフをやらないで生きてるなんて、気持ち悪い奴だな」
「君がゴルフをやらないってこと、親は知ってるのか?」
「悪いことは言わない。まだ間に合う。心を入れ替えてゴルフを始めたまえ。部長には俺からうまく言っておくから」

──そう、あなたの周りはみんなゴルフ教信者だったのです。あなたはその事実を知って戦慄することでしょう。ゴルフ教の汚染はそこまで深刻になっています。

それでもゴルフをやろうとしないあなたの家には、連日こんな手紙が届くことになります:「ゴルフ神さまを冒涜する悪魔め、地獄で焼かれるがいい!」

あなたは警察に相談するかもしれません。でも無駄です。警察官も相手がゴルフ教と聞いただけでもう腰が引けてしまいます。なぜなら、警察幹部の中にもゴルフ教信者がうじゃうじゃいるからです。

ゴルフ教を町から追放しようという運動を始めた人が、ある日突然行方不明になり、数日後にゴルフ教施設の近くの山林で遺体で発見された、というあのニュースを覚えている人は多いのではないでしょうか。アイアンのクラブで殴打されたとおぼしき外傷が見られるなど、明らかに不審な点だらけだったにもかかわらず、警察は事件性なしとして処理してしまいました。

ゴルフ教の蔓延はかくもひどく、もはや浄化は極めて困難と思われます。一説には、政治家の大多数がすでに入信しており、国家権力の中枢を教団が牛耳っているとも聞きます。

あなたの親しい友人も信者かもしれません。くれぐれも気をつけてください。もし入信の勧誘を受けたら、信者を変に刺激しないようにうまく断ることが肝要です。命に関わります。

おっと、誰か来たようですね。こんな時間に誰でs