明日、衆院選が公示される。選挙区の候補者名や比例区の党派名を前に、誰に投票しようか、どの党に入れようかと迷うものだが、とりあえず、以下に挙げるNGワードを使う候補者や党派は少なくともリストから外しておいたほうがいいだろう。

NGワード その1: 「モリカケ問題再調査」

私が何度も書いてきたことだが、「モリカケ問題再調査」というのは要するに〈安倍氏が証拠を隠しているせいで、安倍氏がどういう悪いことをしたのか分からないが、安倍氏が悪いことをしたに決まっているので、安倍氏が悪いことをしたという結論が出るまで何度でも再調査しろ〉と言っているだけである。こんなことをいつまでも真面目な顔で言っている候補者・党派は、もはやそれだけで論外であり、まともに取り合う価値もない。

〈加計学園が獣医学部を新設できたのは、加計氏が安倍氏と友達だからだ。そうに決まっている〉とか、いくらいろいろこじつけてみたところで、冷静に聞いてみれば論理が粗雑すぎてアホとしか思えないだろう。もし安倍氏と親交のある人がビジネスで何かうまいことをしたら、そのたびに「裏で安倍氏が──」と騒ぎにする気か。

もちろん、例えば将来、安倍氏が何らかの経路で怪しい巨額の金を得ていた可能性を強く示す材料などなどが出てくれば話は別だ。しかし、今のところ〈安倍氏が悪いことをしたに決まっている〉と喚いているだけなので、まるで意味がない。

「モリカケ問題再調査」をいまだに言う人は、政府の不正を追及したいのではなく、ただ単に政府にケチをつけるネタが欲しい、なければ作りたい、というだけのことであり、そのせいでどれだけ国会が空転して政治が滞り国民生活に悪影響が出てもかまわないのである。いやはや、政治家としてという以前に人としておかしい。

NGワード その2: 「内部留保」

いわゆる企業の内部留保に課税することは不可能だ。こんなことは会計をやっている人に訊けば一発で分かる。青色申告の自営業者などでもいい。なんなら商業高校で簿記を習っている生徒でも分かる話ではあるまいか。何せ、ちょっと帳簿をかじっただけの私でも分かるくらいなのだから。

まあ、明日にでも自分の会社の経理に行って、会計担当の同期社員にでも訊いてみてはどうだろう、「内部留保に課税ってできるの?」と。2秒で答えが返ってくるはずだ、「できないよ」─。厳密にいえば、その「内部留保」に該当する勘定項目が分からない、たぶん定義は無理だ、という話になる。

これは過去十数年に渡って、内部留保云々の議論になるたびずっと言われ続けてきていることであるにもかかわらず、全然学習してくれない人たちがいるのだ。企業の内部留保に課税して貧しい庶民に分配しろなどと、いまだに言っている。

企業から法人税やらなにやらいろいろ取った上で、収支が黒字だったら黒字分をすべて税金として取り上げろ、もし黒字分で新しい機材を買ったりしていたらその機材を売却させて全額納税させろ──これはもう鬼だ。いや、鬼ですらそこまでやらないのではないか。儲けているのは悪い企業だから、儲けを取り上げてつぶしてしまえばよい、とでも思っているのだろうか。全然理解できないけれど。

政策論争以前の問題である。

NGワード その3: 「ゼロコロナ」

もう何も言うまい(笑)

一つだけ言っておくと、あの中共があれだけ強権的な手法を発動しまくっても成し得ていないゼロコロナなるものを、どうやって実現するつもりなのだろうか。