棄民内閣
新型コロナウイルスのオミクロン株への対策として、念のため当面全世界からの入国を止めるというのは基本的に間違っていません。しかしその後、日本到着便について日本人を含むすべての予約受け付けを停止するよう国交省が航空各社に要請した、と聞いた時はさすがにちょっと耳を疑いました。
新型コロナ騒動の初期、武漢が都市封鎖された時、日本政府はすみやかに救援機を出して邦人保護のオペレーションを執行しました。あれが国家のあるべき姿です。日本国籍か否かで対応は分けるべきです。日本人の帰国を許可しないとなると、まるで〈じゃがたらお春〉ではありませんか。
と思っていたら、よく言えば〈聞く力〉でおなじみの岸田首相は世論に敏感に反応し、あっさりと朝令暮改となりました。
- 「国際線の予約停止を撤回、国交省が3日前に要請も正式公表せず…国交相「配慮すべきだった」」 << 「読売新聞オンライン」
有事に際して在外邦人を棄民にしてしまうなんて、まるで共産党の発想であり、まともな国のやることではありません。また、今回の顛末について国交省は、一部局が勝手に先走ったものであって官邸はおろか国交相すらあずかり知らないことだった、という言い訳をしていますけど、もちろんそんなことがあるわけがなく、仮に実際にそうだったとすれば政府の機能不全を疑わなければなりません。
やはり岸田内閣は遅くとも年度内に倒れたほうがよさそうです。