セーギに酔うと、やっていいことといけないことの区別もつかなくなるんですね。何にしても子供を使う(あるいは使おうとする)のは人として最低の行為です。これ、逆に「安倍内閣万歳」というビラだったらどういう騒ぎになるかということを考えてみれば、やってはいけないということくらい、まともな良識のある人ならば誰でも分かるでしょう。まあ、カツドーカに良識なんて期待してはいけませんがね。

問題のビラを見つけたのは、「産経」の記事では「市教委の職員」で、「朝日」のほうは「自民市議」となっているのですが、どちらが正しいのでしょうか。

市教委によると、ビラはA4判とA3判の計2枚で、指導員が7月21日、漢字にふりがなもつけ、自身の名前を記して学童保育「のびのびルーム」の教室と廊下に掲示。8月21日に学校を訪問した市教委の職員がビラを見つけた。事業団側がビラを撤去するよう指示したが、「個人のものをはがしていいんか」と抵抗。

[産経]

セーギに酔うと、物事の道理というのが分からなくなるんですね。「個人のものをはがしていいんか」という前に、そもそも「個人のもの」を勝手にそんな所に貼っていいのかという話ですよ。カツドーカの頭の中はご都合主義で回るのが常態ですから、そんな分別もつかないのでしょうけどね。

事業団によると、指導員は平成24年にも垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備に反対する新聞記事を教室に掲示し、事業団から口頭注意を受けていた。

[同]

おやおや、“再犯”でしたか。たちが悪いですね。今回は「口頭注意」で済ませないで、もっと厳しい懲戒処分を下すべきでしょう。

ふと思い出したのですが──

私が中学生の時、自民党総裁選で中曽根康弘氏が当選するだろうということが確実視されていた頃、社会科の教諭(当時20代後半)が「中曽根さんが首相になったらやりそうなこと」をわざわざ板書してくれました。確か「軍事力の増強」「公務員給与の抑制」というのがあって、ほかに何かもう1項目あったのですが覚えていません。

左派の公立中学教員にとっては「軍事力の増強」も「公務員給与の抑制」も看過できない事柄ですから、わざわざそうやって生徒に訴えたのでしょうが、板書した上で「中曽根首相はたぶんこれをやるだろうね」と言って言葉の意味を簡単に説明しただけで、すぐに消してしまい、通常の授業に入りました。さすがに「中曽根内閣を打倒しよう」などとは言いませんでしたね。越えてはならない一線をわきまえていました。