ネット・メディアでも見出しの付け方がおかしい例は見かけるので、そのこと自体は新聞に限った問題ではありませんが、この件ではネタがネタだけに苦笑してしまいます。

ネットのおかげで、大元の情報源を参照することが容易な時代となりました。東京大学の入学式での総長の式辞は同学サイトに掲載されています。

ところで、皆さんは毎日、新聞を読みますか? 新聞よりもインターネットやテレビでニュースに触れることが多いのではないでしょうか。ヘッドラインだけでなく、記事の本文もきちんと読む習慣を身に着けるべきです。

同総長は「ヘッドラインだけでなく、記事の本文もきちんと読む習慣を」と言っているわけです。「新聞を読もう」ではありません。そして、話の趣旨からすると「新聞を読みますか?」は単なる前振りにすぎません。

さて、主立った新聞系サイトでの見出しの取り方をざっと拾ってみましょうか。

見出しに関していえば「毎日」以外はすべて駄目ですね。「新聞読みますか?」はぎりぎりセーフといえなくもないかもしれませんが、「新聞を読もう」は完全にアウトです。また、記事本文を読んでみても、かろうじて誤報・虚報ではないといった感じで、ミスリーディングであることは否めません。

新聞屋さんたち。こんな記事にこんな見出しを付けるくらいなら、式辞全文を掲載したほうがよかったのではないでしょうか。もっとも、そうするとあなたたちの仕事の意味や存在意義が危うくなりますが。

なお、ついでながら指摘しておきますが、東大では「学長」ではなく「総長」が正しい役職名です。上に挙げた5本の見出し・記事のうち、正しく表記できているのは「朝日」だけですね。