新聞のベタ記事まで目を通していれば分かりますが、役所による振り込みミスや徴収ミスはそう珍しい話ではありません。税務署が間違えたという話は覚えがありませんが、自治体はたまにやらかしてくれています。税の過剰徴収があったので返金するとか、逆に過少徴収があったのであとから取り立てるとか、そういう話ですね。ミスの金額が大きすぎると、家を売ってまで払ったのにごめんの一言で済ませる気かだの、逆に今さらそんな巨額をまとめて払えるわけがないだろうだの、ちょっと問題になります。

そんな中、昨今世間を騒がせている山口県阿武町の件は、いろいろな意味でかなり特異な例ですね。私が驚いたのは以下の点です:

  • 預金残高わずか665円の口座に、いきなり4630万円も振り込まれる。
  • 役場がふだん銀行への振り込み依頼に用いている手段が、何と、フロッピーディスク。
  • 本件の振り込み依頼ミスに用いられた手段が、紙。
  • 手続きを担当した(させられた)職員は4月1日に採用されたばかりの新人で、手続きが行われたのは同8日。
  • いきなり口座に巨額を振り込まれた男は、役場から間違いであることを知らされ、謝罪とともに返金依頼を受けたあとに、預金のほぼ全額をネットカジノに突っ込む。

フロッピーディスクって、おい──。新人職員くん、そんな見たこともないものを扱わされて大変でしたね。

まさか、ひょっとして、公文書作成に〈書院〉や〈OASYS〉なんか使ったりしていませんよねぇ。まさか──え?