怖い国
ネットでは安全保障の方面から割と前から言われてきていることですが、ようやく大手報道媒体も記事にするようになりました。今さらという感もありますけど。
- 「成績トップだった中国人留学生は、母国の“依頼”を断れずスパイ活動の「末端」に転落した 夢を持つ若者を引き込む中国軍の情報活動 日本へのサイバー攻撃関与の疑いで国際手配へ」 << 「47NEWS」(共同通信)
こういう記事をぶち上げてしまうと、北京支局が中共から嫌がらせ(時として駐在員の身に危険が及ぶたぐいの)を食らうことになったりするため、大手媒体はあまり触れたがりませんが、共同通信にしてはずいぶんと腹をくくったものだという感じです。
優秀な中国人留学生などは、自分ではその気はなくても、中共の諜報機関の接触を受け、心ならずもスパイとして利用されるという哀しい現実があります。
比較的知られているのはいわゆる「凧理論」というものですね。本国にいる家族を人質にとられるのです。北京のその筋から連絡が来て、こんなことを言われます:
「ちょいと欲しい情報があるんだが、手伝ってもらえないかね。国家のためだ、頼むよ。そういえば先週、天津の実家にお住まいのご両親の様子を見てきたけど、元気そうだったね。これからもずっと元気でいてもらいたいよね。私もそう願っているよ」─。
こんなことを言われた留学生が、慌てて実家に連絡をとったりすると、当然すべて盗聴されますから、迂闊な真似はできません。ええ、怖い国ですよ、あの国は。
そんなわけでして、中国人の友人がいる方などにはお願いしたいことがあります。中共の政治について、中国人──たとえ日本にいる中国人であっても──に意見を求めるのはやめてください。かわいそうです。彼らは政府に批判的であってもそれを口にできません。彼らの多くは、意見を求めてきたあなたが北京の回し者ではないという確信を持てません。ええ、怖い国ですよ、あの国は。