6月30日、千葉県松戸市のご当地VTuber、戸定梨香[とじょう・りんか]をデザインしたラッピング電車が、新京成電鉄で運行を開始した。期間は1年間の予定である。

クラウドファンディングで資金を募った事業だそうである。クラファンの目標額は早々に達成したらしいが、しかし、事業の実現にはかなりの期間を費やすことになったという。

「数々の困難」があったため実現に期間を要し、「走行前のキャンセルを防ぐ為」事前の宣伝等がほとんど行われないという、異例の経過をたどっている。実は、Vtuber戸定梨香はかつておかしな勢力によって活躍の機会をつぶされたことがあるのだ。

VTuber戸定梨香は、松戸署や松戸東署と協力して交通安全啓発動画に出演したのだが、全国フェミニスト議員連盟なる連中がアレな抗議をしてきたので、警察関係のサイトからは動画が削除されてしまった。

私たちは、啓発動画に「松戸市ご当地 VTuber の戸定梨香」を採用した千葉県警、松戸警察署・松戸東警察署に強く抗議し、当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除を求めます。本動画は、女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています。

果たしてこの連中の言うように戸定梨香は「女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長してい」るのかどうか、ぜひ実際に動画を見て判断してもらいたい。

この動画を見て性的興奮を覚えるような特殊な嗜好の持ち主が世界にひとりもいないとまで言うつもりはないが、一般的にいないと言っていいのではなかろうか。ついでに念のためあえて言っておくが、戸定梨香は実在の少女ではなく、二次元世界で描かれているだけのキャラである。

「まあ、感じ方は人それぞれだからね」などとお茶を濁して済む話ではない。もちろん感じ方は人それぞれだが、ここで問題となるのは、議員という政治権力・影響力を持つ者が集団で独善的意見を掲げて警察に圧力をかけ、警察の何の問題もない交通安全啓発事業を萎縮させるにまで至ったことが問題なのだ。

勘がいい人ならピンとくるものがあるだろう。そう、先月の水着撮影会騒動だ。共産党埼玉県議団は、水着撮影会が「性の商品化」を助長すると騒ぎ立てて県に圧力をかけたのである。しかも、戸定梨香の騒動のように公的機関の事業に影響を与えたにとどまらず、イベント関係者や参加者の人権を踏みにじり財産を脅かし、現実に経済的損失を生じさせたという意味で、共産党県議団のやらかしたことのほうが比較にならないほど悪質である。

〈たかがVtuber〉〈たかが水着撮影会〉などと思っていてはいけない。自分の生活に関わりのない所で起きているうちは実感がわかないものだが、自分への影響を感じ始めた時にはもう手遅れなのだ。不当な表現規制圧力に対しては断固として声をあげてゆく必要がある。