予見できていたトラブル
ただ、[水産物の]輸出額全体は3000億円くらいしかありません。[内需も含めた市場規模]1兆5000億円のうちの3000億円、[中共への輸出は]さらにそのなかの800億円ですから、パーセンテージとしてはすごく少ない。要するに日本はほとんど国内消費しているのです。 ─(略)─ [中共の業者に買い負けて]日本人がマグロやホタテを買えない状態になったのです。でも、買い負けていたのだから日本人が買えばいい。そうすれば、800億円ぐらいは十分カバーできるのではないかと思います。
[「処理水放出への猛批判 中国政府の「味方」をする日本の「リベラル」への違和感」 〔ニッポン放送〕 << 「Yahoo!ニュース」]
全くその通りですよ。日本の成人全員が、国産の海鮮ものを食べる回数をちょっと増やすだけで、十分な消費になります。今まで中共の業者に値段を釣り上げられていたぶん、下がることが見込まれるし、食べやすくなります。
中共への依存度が高い漁業関係者が、国内で売ると中共に売っていたときのようなウハウハの利益が出ないから嫌だ、とか駄々をこねているらしいですが、そんなの知らんがなですよ。ずっと前からチャイナリスクが言われていたにもかかわらず、対中ビジネスから足抜けせずにおいしい思いをしてきた業者には、今は泣いてもらうしかないでしょう。素直に20年前の状態からいったんやり直しを図ればいいのでは。
何が言いたいのかというと、岸田首相が表明している漁業関係者支援なんて無駄だからやめろということです。いかにも〈ワイドショー政権〉の思いつきそうな人気取り策という感じがします。もちろん困窮に陥りかねない末端の漁業者に対する補助はあっていいと思いますが、それ以外は不要ですよ。今回の件でつぶれそうな貿易業者なんかはビジネスのセンスがないだけなので、大手に買収してもらえばよいのでは。
風評被害に対しては支援を講じるべきだと思います。しかし、中共がある日突然買ってくれなくなったという事態は、風評被害とはいいません。前から予見できていた商売上のトラブルにすぎないでしょう。