共産党員が党執行部を批判したために党から除名される、ということがここのところ続いている。党執行部に異論を述べる者を次々と粛清してゆくというこの党の姿勢は、何と築地の紙までが社説で批判しているほどである。

そういった世間からの批判に対する共産党の言い訳としては、党執行部を批判するのが悪いのではなく、外部で大っぴらに党執行部を批判するのが党規約違反に当たるのだという。すなわち、党内部の議論においては自由な意見表明が認められており党執行部を批判しようがなにを言おうがかまわないが、しかし党の決定に反する意見を外部で勝手に大っぴらに述べるのは党への敵対行為に当たる、というのである。共産党員たちもSNSで、党内では言いたい放題の自由闊達な意見交換が行われており、何を言ったからといって処分されたりはしない、と喧伝している。除名された党員たちは外部であれこれ言ったのが悪いのだ、と。

それが事実かどうか私は知らない。共産党内では党員たちがとても自由に意見を述べ合っているなどとどんなに力説されても、それが事実かどうか私は知らない。知りようがない。なぜなら、党内部の議事内容なんていちいち公開されていないし、それを外に漏らした党員は粛清されてしまうからだ。

つまり、たとえばもし仮に──あくまでも仮の話だということは強調しておこう──共産党内で「志位委員長は退陣すべきだ」「党首は公選すべきだ」という意見が多数の党員から述べられていたとしよう。たとえもし仮に現に今そういう状態であったとしても、党外の人間は全くそれを知り得ない。これが、共産党員たちの言うところの、忌憚なく自由闊達な意見交換が行われるすばらしい党というやつである。

民主集中制とかいう要するに独裁制が本当の正しい民主制だと信じて疑わないようなファシスト集団だから、自分たちの党の異常ぶりなどとうてい認識できまい。私としても彼らの認識を改めさせるために労力を払おうなどという気は微塵もない。さっさと滅べ。