昨日のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、第11回「まどう心」でした。前回がキリのいい第10回で、一つの区切りになるのではという見方もあったようですが、確かにそうなったなというのが今回の感想です。

前回は、まひろ(紫式部)と藤原道長の逢瀬という大展開とともに、寛和の変という歴史的事件が描かれました。それに続く今回は、きたるべき道長と源倫子の結婚、藤原兼家の死、道長と中関白家の政争などなど次章へのつなぎとなっていた感があり、歴史上の出来事としては一条天皇即位ぐらいのものでした。

ただ、道長の求婚に対して、まひろが北の方でなければ嫌だと言ってしまうあたり、あの時代のあの身分の女性があの身分の男性との恋愛でそんなことを言うものだろうかとちょっと首をひねったものの、あれというのはまさに『源氏物語』で紫の上が北の方ではないという設定の伏線なのかもと思ったら、何だか納得できる脚本でした。「雀の子を犬君が逃がしつる」の若紫(紫の上)と同じく、逃げた鳥が縁で三郎(道長)と出会ったまひろですからね。そういえば、うろ覚えなのですが、紫の上が嫉妬しそうになる気持ちをこらえるような場面が『源氏物語』の中にあった気がするのですけども、その下地という意味も今回の「光る君へ」の逸話は持っているのではないかと思います。

いやぁ、毎回毎回すごい脚本ですね。とは思うものの、今回まひろが兼家に直談判に行ったというのはさすがにやりすぎだったのでは。

ところで、一条天皇の即位式を控えた高御座の生首事件、犯人は誰なのか兼家は知っていたようですが、誰なのでしょうかね。史実的には明らかになっていないようですけど、脚本としてはどういう筋書きにしているのか、今後明かされるのか、とても気になります。