菓子折り持参で挨拶なんて
- 「今って有休明けに「菓子折りを持って挨拶」はいらないんですか? 子育てから10年ぶりの社会復帰なので「常識」がわからず不安です…」 << 「ファイナンシャルフィールド」
まず、その見出しの質問からして意味不明です。10年前でも、いや20年前でも、そんな「常識」なんて聞いたことがありません。まあ、長めの休みを取って旅行に行ったときなんかであれば、同僚たちへの旅の土産にちょっと菓子を買ってきたりはしますが、単に有給休暇明けに菓子折りを持って挨拶とか言われてもねぇ。
というか、いまだに有給休暇の意味を理解していない人が少なくないようなので、前から似たような話はしていますが改めて言っておきますね。
まず、会社には〈あらかじめ日が決められている休み〉があります。一般的には、土曜、日曜、祝日、夏休み(お盆休み)、冬休み(年末年始休暇)というのが多いですかね。もちろん職場によっては定休日が土日でなかったり、シフト制だったりもしますが、総休日数で辻褄が合うようになっているはずです。
そして、そのほかに〈あらかじめ日が決められていない休み〉があります。つまり、社員が自分で日を決めて取る休みです。これが有給休暇というもので、法律で定められている労働者の当然の権利です。当然の権利ですから、〈自分が取りたい日に取ることになっている休み〉であり、〈会社の許可を得て取る休み〉ではありません。「この日に休暇を取らせてください」と会社にお願いするのではなく、「この日に休暇を取ります」と会社に届けて休むものであり、原則として会社側にはそれを駄目だと言う権利はありませんし、言ったらその時点で労基署案件になります。
「そうは言っても、やはり休んだら同僚に迷惑が──」とか言う人がいるかもしれませんが、そんなのはお互いさまです。逆に同僚が休むときにはあなたがカバーするのですから。会社とはそういうものでしょう。もっとはっきり言ってしまえば、「休んだら同僚に迷惑がかかるから休めない」とか言う人は、嘘をついています。そもそも社員が法律に則って有給休暇を取ったせいで業務に著しく支障をきたすようなら、それは会社の側に問題があります。