憲法に緊急事態条項を設けることに反対する人たちは、なぜ反対するのかというと、もし緊急事態条項が必要となるような状況になったときに政府が緊急事態を宣言して対処できるようになっていたら、その手の人たちは、「この緊急事態に政府は何をやっているのか。動きが遅い」と難癖をつけることができず、〈政府が何もしないのでわれわれが国民を救済する〉的なパフォーマンス(実際には何の役にも立たないどころか邪魔なだけ)を図ることもできず、自分たちの存在感を誇示する格好の機会を失ってしまうからです。このことはコロナ禍や能登半島地震で嫌というほど思い知らされました。

もちろん彼らは表向きはそんなことは言いません。「いつか来た道」「ファシズム国家」「軍靴の響き」みたいな常套句を使って人々に恐怖心を植え付けようとします。こんなのは使い古された手で、世間的にはあまり通用しなくなってきています(だって何かにつけてそればっかり何十年も聞き飽きていますし)けれども、仲間内のエコーチェンバーではいまだにこれで大盛り上がりのようです。そういうのを眺めていると、本当にカルト集団と同じだなぁという感じがしてきますね。そもそも、彼らのほうがよほどファシストの性格を強く持っています。

そんな連中が自由、民主、平和を語るなんて、片腹痛いのもいいところですよ。北朝鮮が民主主義人民共和国を名乗っているのと同じですね。

というわけで、コロナ禍の頃と同じく、よくよくじっくり観察しておきましょう。誰が何を言ったか、よく覚えておきましょう。