初めの頃は私も、野党よりマシという以外に取り柄のない政権だのなんだの言っていたわけですが、直近1年ほどの岸田首相はそれでもかなり頑張っていたと思いますよ。何を言われようが言われまいが、やらなければならないことを粛々とそしてサクサクと片付けてゆくスタイルは、いわば一種の殉職を覚悟したと感じさせるものがありました。もしかしたら安倍元首相が暗殺されたことで自身の中に何か変化が起きたのかもしれませんし、あるいは菅前首相の身の引きかたが頭のどこかにあったのかもしれませんね。

ところで──次はどうなるのだろうと考えると気分が暗くなります。消去法的に1人しかいないと思うのですよ。ええ、とても頭が切れて仕事のできる、経済と産業を分かっているあの人です。ただ、支持基盤が脆弱すぎるというのが──。