日本航空(JAL)が乗客の搭乗に要する時間を短縮すべく、新たな方式を採り入れたようなのですが──

これまで‥‥乗客は大きく4段階で乗り込んでいた。上級会員の「グループ1・2」、40番より後ろの座席と非常口座席の「グループ3」、20番より後ろの「グループ4」、全員が対象の「グループ5」だ。

これに対して新方式では、「グループ3」の段階で、40番より後ろの座席と非常口座席に加えて窓側席(A列、K列)の人に乗ってもらい、グループ4で全員に乗ってもらう。

航空機の座席配置がよく分からないという方は、JALの国内線でのエアバスA350-900の座席配置図なんかを参考にしてください。

さて、新しい搭乗方式であれば、乗客全員が乗り込むのに要する時間が短縮されるというのは、理屈の上ではよく分かります。しかし、乗客というのは人間の集団ですので、そううまくいくのかと疑問点もあります。

例えば、38の左舷窓側からA、B、C、そして通路を挟んでDを押さえている家族連れ4人がいるとします。新方式の場合、38Aに割り当てられている1名だけが〈グループ3〉扱いで先に搭乗し、残り3名はあとから〈グループ4〉として搭乗することになります。それってどうなのよ、という感じですね。

まあ、JALとしてもそういう状況はもちろん想定しているでしょうから、搭乗案内の現場でゆるく対応するとは思いますけど、50秒の短縮のためにそこまでキリキリやる必要があるのかどうか、私としてはなお疑問です。