この件は氷山の一角だと思います。

あまり表沙汰になって騒ぎになることはありませんが、「貸金庫に入れておいた現金が減っていたので、銀行に言ったら調べてくれて、行員が盗んでいたことが発覚し、銀行側に全額弁済してくれた」とか、あるいは逆に「銀行に言ったのだが、そんなことはあり得ないと突っぱねられ、証拠が出せないので警察も取り合ってくれない」みたいな話は、ネットを掘ればそこそこ出てきます。

貸金庫というのは、そもそもが大っぴらにできないものの隠し場所だったりもしますし、そうでなかったとしても利用者が入れた中身を証明する手段もないため、中身を盗まれたからといって警察に相談しづらかったりする、というのは容易に想像されます。

警察も、受理できる形の被害届が出されなければ動きようがありません。特定の銀行支店についての被害相談がいくつもあるようなら、警察も予備的捜査を始めるでしょうけど、認知できていない事案については何もできません。今回の三菱UFJ銀行の件は、銀行が客に謝って弁済し当該行員を懲戒処分にするだけで収めず、警察に被害相談したため、事が明るみに出ました。

逆を言うと、これにより不正防止対策が強化される三菱UFJ銀行の貸金庫は、今最も安全な貸金庫ということになるのではないでしょうか。まあ、強化されなかったら話になりませんが。