確定申告が分からない人はとにかく税務署に相談を
先日YouTubeで見かけたとある動画で、21歳のVライバーからの相談にユーチューバーが答えていました。その相談とは「自分は不登校から就職を経ずVライバーになりかれこれ3年。確定申告というものをしないといけないかもしれないという話を聞くものの、何かそういう書類もうちに送られてこないし、何をどうしたらいいのか分かりません」という趣旨でした。
相談を受けたユーチューバーの対応としては、「本来ならここでフルボッコにするようなネタだけど、君には悪意があるわけではなさそうだし、経緯からして本当に世間知らずのままの21歳Vライバーらしいから、きちんと教えてあげるね」ということで丁寧に基本を解説してあげていました。ただ、それでもまだ〈学校にちゃんと行かずに無職から18歳でVライバーとして稼ぐようになり今21歳だけどカクテーシンコクって何ですか?〉な人にはちょっと難しい話だったと思います。
ということで、カクテーシンコクのカの字も知らない人のために、税務のプロでもなんでもない私が、本当に基本的なことを簡単に教示しますね。まあ、教示というほどのものではないのだけど。
結論から先に言うと、とにかく一日も早く税務署に行って相談しなさいということですよ。これに尽きます。何をどう相談するかというと、そのまま。「確定申告というのをしないといけないみたいなんですが、何をどうしたらいいのか分かりません。教えてください。お願いします。無知ですみません」でよいです。税務署は、無申告でバッくれている奴には鬼より厳しいですが、申告・納税の意志があって訊きに来る人にはちゃんと対応してくれます。
どこの税務署に行くかといえば、自分の住所を管轄する税務署へ行きます。 Googleで「○○市 税務署」のように検索すれば「○○市の所轄税務署は、◇◇税務署」と1秒で出てきます。あとはその「◇◇税務署」のウェブサイトを見れば、相談の仕方が書いてあります。通常は相談には予約が必要なので、きちんと取り付けること。電話相談もあるにはありますけど、「確定申告というのをしないといけないみたいなんですが、何をどうしたらいいのか分かりません。教えてください。お願いします。無知ですみません」みたいな話は電話だけで済むわけがないので、ちゃんと窓口に行くべきです。
相談後の流れとしては──
Vライバーなどの事業収入(会社や店の従業員として得る給料ではなくて、自分で仕事をして得る収入)がある場合は、まず開業届(こんな仕事を始めましたという届け出)を提出させられます。開業届には、屋号・雅号(店の名前とか作家のペンネームとかVライバーのキャラ名とか)を書く欄もあるので、これで君も無職ではなく〈Vライバー通称○○○○として活動し収入を得て生計を立てている人〉として公的に認知されます。すると、来年からは時期になると確定申告用の書類が君の所へも郵送されてくるようになります。もっとも、最近なら紙の書類ではなくe-Taxを使う人が多いですけどね。
次に、今まで確定申告をしていなかった分の処理です。当然今まで払っていなかった税金を払わされます。一括で無理なら分割なんかもあるらしいので、そこのところは税務署でしっかり相談しましょう。
「えーっ、過去何年分かも払わされるなんて嫌だぁ。面倒だから確定申告なんかしないでバッくれちゃおう」──というのが一番良くないですよ。税務署をなめてはいけません。
先にも言ったように、税務署は、申告・納税の意志があって訊きに来る人にはちゃんと対応してくれますが、無申告でバッくれている奴には鬼より厳しいのです。無職ではなさそうな生活状況なのに無申告の者というのは、税務署に狙われ、疑われます。税務署の権限は強力で、君の資産状況や銀行口座の出入りぐらいは簡単に把握できます。申告・納税の意志があって相談に来る人は〈やり方が分からなかった人〉として扱ってもらえますが、そうでなくバッくれている奴は脱税容疑者とみなされます。その時になって謝っても遅いですよ。ニュースの逮捕記事に実名で載る日も近いでしょうな。
とにかく、手遅れにならないうちに税務署に相談しなさい。