見出しがミスリーディングです。というか、見出しを付けた人がよく分かっておらず、〈AIを使った犯罪〉という打ち方をすればいいと安易に思ったのでしょう。他媒体も似たような所があります。

〈生成AIを悪用して不正アクセス〉となるとかなりゆゆしき問題ですが、記事を読んでみたら最初の段落であっさり解決しました。要は、不正アクセスのためのプログラムを自作する際にChatGPTを利用したということらしいです。

たとえてみると、ワープロソフトで脅迫文を作成したことを「パソコンを悪用して脅迫」とか言っているようなものです。アホか。一応言っておきますが、記事の文章に問題はありません。あくまでも見出しを付けた奴がアホです。

確かに生成AIがこういうふうに使われたことはまずいですが、この事件についてはほかにもっと深刻な問題があります。

  • 20億件超のIDとパスワードを、中高生3人が簡単に闇で購入している。
  • 楽天モバイルのセキュリティが甘すぎる。
  • 未成年が保護者の承諾なしに750万円相当の暗号資産(仮想通貨)を取得している。

中高生がハッキングのみならず資金洗浄の闇バイトまで自前でできてしまう状態にある、ということです。〈何だか分からないけどAIって怖い〉みたいな変な印象操作になる見出しは、一番の問題から目をそらさせてしまいます。