生き死ぬる夏のいのちのかぎりかな倶にひとつのところにぞ会ふ

いきしぬるなつのいのちのかぎりかなともにひとつのところにぞあふ

如月や十字の墓も倶会一処くゑいつしよ

[川端茅舍『華厳』(1939)]

この俳句を知ったのは、私が聞法を始めて間もない頃にいただいたご法話でのことだった。講師の先生は、生きている身に「倶会一処」がかなわないことの悲しみを詠んだ句だとおっしゃった。