埼玉県警が成人漫画作者に異例の要請
「検査」と称して女性の身体を触ったとして、強制わいせつ容疑などで埼玉県警に再逮捕された男が、成人向け漫画同人誌を読んで手口を真似したという趣旨の供述をしていることが13日、捜査関係者への取材で分かった。県警は被害の再発防止に向けて、漫画の作者に模倣した犯罪が起こらないよう配慮してほしいと要請した。
[「強制わいせつ容疑の男「漫画を真似」 県警、作者に異例の申し入れ」 〔埼玉新聞〕 << 「Yahoo!ニュース」]
憂慮すべき事態である。
当該漫画作者に対する埼玉県警の「要請」の内容は、要するに〈良い子のみんなは真似しないでね〉というようなことを書くとかしてほしい、といった程度のようである。また、漫画作者自身もTwitterで事情を発信していて、それによれば、同県警は菓子折り持参でやって来て穏やかかつ低姿勢であり、作者の話もよく聞いてくれたとのことだ。従って、今回の件は〈表現への警察の不当な干渉〉というほどのものではない。
しかしながら、〈良い子のみんなは真似しないでね〉と一言書き加えてほしいという要請から、真似する犯罪者が現れるような漫画を描くのは差し控えてもらいたいという要請へと変わり、さらに〈要請〉から〈指導〉へと変わる危険性は、容易に否定できない。
これは懸念していた最悪の事案です。真似た犯罪が発生するかも知れないと警察指導で自主規制が進む事態。議員時代であれば直接警察庁に問いただし真相を報道以外の角度から質しましたかがそれができません。どうか報道以上の情報があればください!殺人事件のない名探偵コナンの時代がやって来ます。 https://t.co/7l5DcKhreN
— 山田太郎前参議院議員 表現自由会 (@yamadataro43) 2017年6月13日
なお、近ごろ話題の共謀罪に関して「物言えぬ社会になる」などと筋違いの理屈で反対を喚いている人々からは、それこそ物を描けない社会にしかねない本件に関して懸念の声がろくに聞こえてこないため、私は彼らを信用しない。