12日の全日空37便(NH37)のトラブルについての、当日の夜の報道の一つです。「CAの声が震えていた」というフレーズが極めて印象的だったことから、これが一人歩きしてかなり伝播した嫌いがあります。

ただ、機内の気圧が異常に下がったために客室の酸素マスクが落ち、機が緊急降下するという、いってみれば特に珍しくもないたぐいのトラブルで、フライト・アテンダントの声が震えるなどということは考えにくい(ましてや日本を代表するFSCの一つである全日空で)ため、私はこの報道にはかなり違和感を覚えました。まあ、しょせんは「BuzzFeed」ですし。

その後、機内の様子を撮影した人がYouTubeで動画を公開してくれました。

フライト・アテンダントの声は別に震えていませんね。ちゃんと仕事をしています。読み上げ原稿の途中でトチったりしているものの、口調は平静です。

また、フライト・アテンダントの案内のあとに、コクピットから機長か副操縦士が直接説明しており、すでに安全な高度まで下がったのでマスクを外してもよいと伝えています。

この一件では何ごともなかったからよかったものの、日航123便墜落事故(1985年)の時なんか、マスコミがいいかげんなことを報道したものだから、乗員の家族がバッシングされるというおかしなことになりました。

“煽り記事”を鵜呑みにしてはいけませんね。上掲の動画を撮影した方も、一部報道で変なことを言っているから実際の様子を公開した、との旨をコメントしています。