NHK「おんな城主 直虎」第33回(20日放送)はまさに本ドラマ中盤の山場でした。

本ドラマの主人公を含め主要登場人物のほとんどは、今までの大河に比べてとても史料が乏しく、そもそも井伊直虎は女ではなかったのではないかとか、実在していなかったのではないかとか言われたりもするくらいですから、素材としては作り手が自由に扱いやすい部分が大きいでしょうし、それゆえに、やたらに壮大なスケールの究極の恋愛ドラマ仕立てにもできるという強味があるにせよ、それにしても、あの第33回における小野政次の処刑の場面は、脚本担当者を筆頭とする制作陣の本領発揮と言わんばかりの出来栄えで、見る者を圧倒しきっていました。

上記記事にもありますが、政次が奸臣であったという“正史”に基づいて考えると、辻褄の合わないことがいろいろ出てくるので、政次は実は対外的には奸臣ということにしておいて実は裏で井伊家を支えていたのではないか、という説もあり、本ドラマはそれを基に大胆な脚本を展開してくれています。今までにない斬新な大河ドラマになっていると思います。