丸善ジュンク堂渋谷騒動
世の中には「表現の自由」の意味を履き違えている人が多いということをつくづく思わされるのですが、これなどはまさにそう:
- 「丸善ジュンク堂渋谷店、「自由と民主主義のための必読書50」ブックフェアを中止」 << 「ハフィントンポスト」
書店がどんな本を売ろうとそれぞれの書店の勝手だし、実際に特定の傾向に偏った書店なんかいくらでもあるでしょうから、そんなことにケチをつけるつもりはありません。しかしながら、一支店の書店員が暴走し、社の方針に反して勝手に特定の書籍のフェアを開催し、勝手な宣伝文句を打ち出し、書店名を看板に掲げながら「うちには闘うメンツが揃っています。書店としてできることをやります! 一緒に闘ってください」などと公言してしまうとなると、話は違ってきますね。これは単なる業務命令違反と公私混同で、下手をすれば首を切られても仕方がない事例です。
もちろん、内部的に社員が社の方針に対して異論を具申するのはいいですよ。しかし、対外的に勝手なことをしてはいけません。
こういうのは話を逆に考えてみれば分かりやすいでしょう。もし社の方針として、店頭に棚を特設して特定の書籍のフェアを開催することになっているのに、書店員がその書籍が嫌いだからといって勝手にフェア開催を取りやめたら、これは業務命令違反であり公私混同です。それを「表現の自由」と強弁するのは無理どころか、社会人として駄目なレベルとしか言いようがありません。
まあ、当該の書店員をどうするかというのは、基本的には丸善ジュンク堂の社内的な問題だと思うので、あまり野次馬が口を挟むものではありませんけどね。