SEALDs、これがほんとの“We will stop”
SEALDsのネタばかり書くとかえって宣伝効果が出てしまいますから、これはいかがなものかと自分でも思うのですが、近いうちに世間から忘れ去られる彼らのことですので、まだ忘れられていないうちに書いておこうという感じでもあります。興味のない方は読み飛ばしてください。
さて、Twitterにおいてこの夏、SEALDsの英語アカウントから発せられた一つのツイートが大きな話題となりました(悪い意味で)。報道では全く見かけませんけど(報道するほどのものではありませんし)、ネットで観察している人なら誰でも知っているネタです。
当該ツイートを Twitter API で引用しようとしたのですが、ほとぼりが冷めた頃を狙ってかSEALDsがこっそり削除してしまっている(笑)ため、キャッシュ・データのキャプチャ画像を掲載しておきましょう。
“We will stop” ──この一言でネットは大いに盛り上がりました。と言えば、分かる人にはもう「ああ、なるほど」と分かりますよね。
“We will stop” ──これは、SEALDsの合言葉の一つである「本当に止める」(上掲写真にもそのプラカードが見えます)を英訳したつもりのようです。が、残念ながら “We will stop” では「本当に止める」という意味になりません。
中学レベルの英語の話なのでいちいち細かく説明しませんが、ここに出てくる “stop” は目的語を伴っていないため、自動詞とみなされます。つまり “We will stop” は「われわれは止まる」(≒SEALDsは終了する)という意味になります。そういう意味にも取れるということではなくて、そういう意味にしかなりません。日本人に特有の英語の間違え方を知らない英語圏の人が見れば、“言いたいことは分かるけどちょっとおかしい”というレベルではなく、恐らくは9割が即座には理解できないレベルです。まあ、数秒考えれば「ひょっとしてこういう意味?」と推察できる人が2、3割いるかもしれませんが。
この “We will stop” にネットではさんざんツッコミが入ったわけですが、対して「目的語を省略しただけだよ。そんなことも分からないのかよ」というSEALDs擁護勢からの反論()を数多く見かけました。しかし “stop” のように自動詞と他動詞で意味がまるっきり違ってしまう場合に、他動詞の目的語を省略するということは、特殊な文脈でなければあり得ません。ここは目的語を入れて、せめて “We will stop it” とか “We will stop them” などと言わないと駄目です。
細かいことを言い始めると、ここで「本当に」と言いたいところで “will” は微妙に違うかもしれないとか、いろいろあるのですが、長くなるのでやめておきましょう。
「ネイティヴなみに英語のできる人のツイートに、学校英語の知識でケチをつけるなんて恥ずかしいぞ」みたいな反論()も何件か見かけました。「ネイティヴなみ」というのがどれほどのものか知りませんが、このネタはアメリカ人その他の外国人たちにもいじられているということは知っておいたほうがいいでしょう。
仮にも大学生なのに中学レベルの英語を間違えるとか、その点に大勢からツッコミが入れられても頑なに誤りを認めず正しいと言い張ったりとか、それ以前に必要もないのにわざわざできもしない英語で発信したりとか、無知な上に無恥としか言いようがありません。馬鹿な奴ほど変に英語を使いたがるというのはよくあることですが。
さて、そんなおかしな英語ツイートから3カ月もたった今ごろ、なぜ私が引っ張り出したのかというと、こんなニュースを読んだからです:
- 「「SEALDsは来年の参院選で解散しようと思ってる」 学生メンバーが活動計画を発表」 << 「弁護士ドットコム」
SEALDsは来夏で解散するとのことです。
SEALDsの諸君。これがほんとの “We will stop” ですよ。こういうときにこそ “We will stop” と言うのです!
さあ、りぴーと・あふたー・みー! うぃー・うぃる・すとっぷ!