先日は孫正義氏のたわ言が話題になりましたが、今度は三木谷浩史氏です。

もう、いい加減にしてくれと言いたいですよ。なまじっか影響力がある人なのですから、言葉には気をつけてもらいたいです。

こういうふうに、新型コロナウイルスの検査をしろ検査をしろ検査数を増やせと言う人は、検査数を増やしてそのあとどうするつもりなのでしょうか。検査すればたちどころにCOVID-19が治るとでも思っているのでしょうか。

検査の結果が陽性であろうと陰性であろうと、基本的に治療は変わりませんよ。重症化して肺炎を起こしている患者なら肺炎の治療をしますし、軽症者ならただの風邪と同じ扱いになるだけです。違いといえば、COVID-19は指定感染症にされているので、感染が分かれば隔離されるということぐらいでしょう。今後は重症者にアビガンの投与などが進むと考えられますが、現状では重症者の場合の検査漏れがまずないというのは昨日の記事の通りです。

「欧州のような事態にならないように」と三木谷氏などは言いますが、では、みだりに検査をしまくるという欧州と同じことをすれば欧州と同じ事態になるということが、なぜ分からないのでしょうか。「欧州のような事態にならないように」するためには、欧州と同じことをしてはいけません。

検査は必要に応じて行えばいいのであり、不要な検査を増やすと弊害しかありません。もちろん必要な検査がすべて行えるようにするため、検査のキャパは増やすべきですが、だからといって不要な検査もやりまくるべきではありません。

今、日本政府がやるべきことは、みだりに検査数を上げて三木谷氏みたいな人たちの気分を満足させることではありません。目下の〈コロナ不況〉への大規模な経済対策や、風邪でも仕事を休みやすいしくみ作りでしょう。

そして、われわれ一般人がやるべきことは──そう、手洗い励行です。