児童ポルノ禁止法の影 表現規制圧力が始まった
児童ポルノ禁止法による規制に絡んで、ついに人権団体が表現規制圧力をかけ始めた。恐れていたことが現実になってきた。
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DMMの配信するイメージビデオに「児童ポルノと疑われる作品」が含まれる、と人権団体が名指しで指摘したのである。具体的にはいわゆる「3号ポルノ」に該当するのだという。
「3号ポルノ」──ほら出た。前々から恣意的な解釈の危険性が言われていたグレーの部分だ。
「3号ポルノ」とは、児童ポルノ禁止法第2条第3項に定義されている、処罰対象となる児童ポルノ3種類のうちの、第3号のことをいう。
衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
18歳未満を写した写真や動画のかなりのものが該当し得るという恐ろしい定義である。スリム・フィットのジーンズで尻と脚の線が分かるというだけでもアウトにできる。ティーシャツで胸のふくらみがちょっと分かるだけでもアウトにできる。はっきりいってこの基準なら、子供服通販サイトの水着や夏服の写真のほとんどをアウトにできる。司法のさじ加減にすべてが委ねられている。絶対に3号ポルノに該当しない児童の画を撮ろうと思ったら、被写体の児童の「性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部」の線が一ミリも分からないような形で、マントを羽織らせるか布で覆うかするしかない。
「児童ポルノを見るような性的嗜好なんかないから、児童ポルノ禁止法なんて自分には関係ない」と思っていたら大間違いである。あなたが自分の子供や孫を写した写真を持っていれば、それが3号ポルノに該当し得るのだ。「別にセクシーなポーズをとらせたりしているわけではない」などという反論は意味をなさない。警察が「性欲を興奮させ又は刺激する」と難癖をつけてくればそれで終わりである。
具体的には、右のような画像ですら3号ポルノに該当するといえばすることになってしまいかねないのだ。実際には、そんな言いがかり的な起訴をされても、最終的には無罪になるとは思うが、その過程で費やさなければならない手間や費用を考えたらめまいがしてくる。
もちろんそれは極端な話ではある。けれども、例えば17歳のアイドルの水着の写真ぐらいなら、ばっちり3号ポルノに該当する確率が高い。「総選挙」をやっているあのグループなんか、16や17の少女が水着になりまくっているので大変なことになる。たまたまあなたの鞄の中に入っている雑誌にそんな写真が載っていようものなら、もう単純所持罪に該当してしまう。
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
「性的好奇心を満たす目的で所持していたわけではない」などという言い分が通用しないであろうことは先に言っておこう。
ようやく少しは分かってもらえただろうか。この法律は、平時に誰の首をも絞め得るという点で、特定秘密保護法だの安保法制だのよりもよほどやばいのだ。
そして、司法が恣意的に運用する危険があるのに加え、今般の件のように人権団体がセーギの名のもとに振り回す凶器(狂気?)にもなるのである。3号ポルノだという「指摘」だけで済めばいいが、そのうち“嫌がらせ刑事告発”なんかを始めるかもしれない。
児童を性的搾取や性的虐待から守るため、児童ポルノ禁止法自体が必要であるのはもちろんだ。ただし、非常に危ない条文が混じっているのは何とかしなければならない。繰り返すが、あなたにとっても無関係な話ではない。人権団体から「児童ポルノ所持者」のレッテルを貼られただけで、社会生命を断たれる恐れがある。セーギノミカタはセーギのためならいくらでも暴走する、ということは知っておいたほうがよい。