新型コロナウイルスをめぐり国内で計1万5千人超の感染者が確認されている中、政府の専門家会議の尾身茂副座長は参院予算委員会で「感染者すべてを捕捉しているわけではない」と説明した。確認された感染者数に比べ、実際の感染者数がどれだけ多いかについて、「実は10倍か、15倍か、20倍かというのは、今の段階では誰も分からない」と語った。

尾身氏が言っているのは最初から分かりきっている当たり前のことにすぎない。少なくとも、新型コロナウイルスに関する(ワイドショーなどではなく医療関係者等からの)情報を追っている者なら、特におかしいとは思わないはずだ。新型コロナ感染者が巷に実際何人いるかなんて、分かるわけがない。どこの国でもそうである。

例えばインフルエンザだって実際の患者総数なんて分からないのだ。国民全員を検査しているわけではないのだから。インフルエンザの統計は、定点医療機関から都道府県に上がってくる報告を取りまとめているだけだ。事実、インフルエンザ関係の資料を見てみれば「定点当たり報告数」が分かるだけで、実際の患者総数なんて知りようがない。

問い詰められた尾身氏の答弁をめぐり、首相が何らかアドバイスをしたとして、福山氏が「総理が答弁指示してどうするんですか」と憤る場面もあった。
[同]

ほう、朝日新聞はあれを、尾身氏が「問い詰められた」と表現するか。私にはとてもそうは見えなかったが。

私には、尾身氏がごく当たり前のことをきちんと話しているにもかかわらず、福山哲郎氏という立憲民主党所属議員がろくに聞かずに理解しようともせずチンピラさながらに難癖をつけて嫌がらせしているだけのように見える。新型コロナウイルス対策の先頭に立ち日夜奮闘している専門家を、多忙の中わざわざ国会に呼びつけておいて、この仕打ちか。人としておかしい。